奇跡のリンゴ

かなり前に出版された「奇跡のリンゴ」という書籍を、ある方から頂きました。

今回も珍しく完読しました。めちゃ感動しました。

今夏には、映画化されるようです。

NHKでも紹介されたこの奇跡のりんごとは、

農薬を使用しなければ絶対に不可能とされている

リンゴを世界で初めて無農薬栽培に成功したのです。

この本を読むと我々の0宣言なんて当たり前以下に感じます。

また、無農薬栽培を成功された木村さんの生き方、人間性には

頭を垂れすぎても足らないほど凄すぎます。

世界初のことを成し遂げたのに、一切のおごりは感じません。

生活も贅沢のぜの字もないようです。

リンゴの価格からも、木村さんの人柄がにじみでておられます。

とにかく一般では、手に入らない人気殺到のりんごでも、

価格は一般のりんごと同じくらいの値段設定です。

これは、木村さんが日本中の多くの人に、このりんごを

食べてほしいとの思いからのようです。

私もこの考えには、大賛成です。原価もそれほどかかっていない

のに、技術があるから高くてあたりまえという考えは、どうも

私にはしっくりきません。お金がほしければ企業努力をして

大量生産なり、売る方法を考える企業努力をすればいいと

庶民派の私は思ってしまいます。

また、木村さんは世界中の学者からも、彼の知識は重んじられて

いるようですが、木村さんは、私は、学者でなく百姓だと自ら

今では差別用語のような言葉を、堂々と言われています。

とかく、この分野では、江戸時代の士農工商のように、実際の待遇等は

そうでなくとも、言葉だけの地位でごまかし、上の立場の方が、

農民のコンプレックスを上手く利用して益を得るということが、行われてきました。

しかし、この人には、そうしたコンプレックスがかんじられません。

形のとらわれない生き方格好いいですね。

この本を読んで世界で初めて無農薬リンゴ栽培が、

成功したこと、その功績が勝手に広まったのもうなずける気がします。

ニュートンよりもライト兄弟よりも誰よりも凄いことをやり遂げた、

不可能を可能にした男という本の見出しにも納得出来ました。

いやぁ、世の中には凄い人がいるものです。

自分のちっぽけさが、よーく分かった本でもありました。

なぜか、自分の小っぽさが分かっても、とてもすがすがしい気持ちです。

それほどに、素晴らしい人間性を感じられた本でした。

雪解け後の木村さんとの対談が、とても楽しみです。