相手側の気持ち

この彼は、随分、前に言ったことをよく覚えていてくれたものです。

ありがたいことです。この気持ちは、どんなに時代が変化しようが、

人として、商人として必要なことなのではないでしょうか。

常に相手側の気持ちで物事を考えることは、大事なことだと思います。

今では、こんな偉そうに言っていますが、以前の現役時代の私は、

一切、ユーザー寄りの思考はありませんでした。常に自分よがりの思考だったのです。

しかし、偶然にも開発した工法が、ユーザー寄りだったことから、公然と

次のようなことを、しゃあしゃあと語っていたのです。

ダブル断熱は、ランニングコストも抑えられ、劣化も少なく、

家計に優しい上に健康にも良いことから、施工が面倒くさいという業者側の都合よりも

ユーザーの幸せを考えるべきだ。または、地球環境にも、求められている。

まさにユーザーの為であり、人類社会が求めているから、皆が望んだから世に出してやったという

ような発言をしていたのです。まったくもっておめでたい人間でした。

確かに、世の中からは、必要とされている商品でしたが、当時はそんなことより、

お金儲けの為にやっていました。そうした商品を出せば儲かると思ったから開発したのです。

また、自分の開発した商品を選ばない、認めないのは、おかしな人間だと

言うようなことを、平然と話していたものです。

もし、私が真にユーザー寄りの考えがあれば、商品開発以外のことでも

努力したでしょうし、間違っても、市場が望んでいるから開発してやったという

傲慢な言葉は、発しなかったと思います。

きっと、そうした言葉は、自分の強欲な気落ちを、周りに悟られないように

発していたのでしょうね。

ボランティア等であればまだしも、市場からお金を頂く商売をやりながら、自分の能力を

自慢して、、欲を見破られないような発言をして金を儲けをしていたのです。

本当に情けない人間性です。

そんな、馬鹿な自分自身に気付いたからこそ、若い人には失敗してほしくないので

自分が出来ていなかったことですが、偉そうにアドバイスしてしまうのです。

今後の人生、自分勝手の塊のような私ですが、常に相手側の気持ちを考えた行動を

したいものです。本物の利他の心を持ちたいものです。